かれこれ15年以上ちんどん屋をしているわけですが、いまだにシビれる瞬間というのがあります。
一緒に演奏している楽士たちと、そしてまちと一体化したとき、そのエネルギーがぐわーっとうねりになって、天にのぼっていくような、そんな感覚になるときです。
あと、不思議なのは、ちんどん屋としてまちに出ると、すっごく見られているのだけど、そのぶん「見えてくる」という感覚があるということ。
そんな「ちんどん屋の視点」を、体験してもらいたいなあといつも思っています。
たまーに、なんだか冷たいなあっていうまちもありますが、たいていのまちには、ちゃんとやさしさがあるからね。人間のその部分に、もっと触れたいし、その部分を出してもらいたいって思うのです。
そんなこんなで、最近は、こどもたちと一緒にチンドンする機会も増えました。みんなで簡単な楽器を持ってのパレード。先導はわたし。楽士はおてんきやのメンバーにお願いしたり、そのまちのミュージシャンにお願いしたり、さまざまです。
ちんどん屋って、エッジな存在なんです。
日常と非日常の間をゆらゆら揺れ動きながら、突然現れて、さっと去っていきます。
ここにこどもたちが加わると、おもしろいことが起きます。「このまちのこどもたち」が、可視化されるのです。今まで、下北沢・代々木上原・三軒茶屋・逗子・鎌倉、そして多摩ニュータウンなどでやってきましたが、こどもはヘーキな顔をしていますが、おとなが感動していたりします。
音を聞いて、お店から飛び出してくる人。上の方からガラス越しに見ている人。ベランダから手を振る人。パレードに加わる人。懐かしいわーって少し泣きそうになっている人・・・・・
うん、まちのやさしさに、お互いが触れる。そんな瞬間が生まれます。
このまちに、こんなに、こどもがいるんだねえ。(見ているまちの人)
へえ、こんなに、見てくれるおとながいるんだあ。(こども)
なあんだ、みんなやさしいなあ。(こどもと一緒にパレードするおとな)
こどもたちは楽しいとき楽しそうな顔をするわけではないし、期待通りの行動はしてくれません。だからいつも列はぐっちゃぐちゃ。だけど、そんな瞬間をつくり出してみたくて、実験し続けています。分断されすぎた日常の境界線を、ぶっ壊したいものです。
お呼びがかかれば、太鼓を持ってどこへでも伺います♩
楽器をつくるワークショップ+パレードなんていうこともはじめてみました。
まちの廃材+自然素材でつくるシャランポン。制作にハマるのは小学生以上、それ以下はお父さん&お母さんががんばる感じです。笑