20世紀の映像百科事典「エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ」

「かつて 壮大な映像百科をつくろうと夢見た人々がいた。」

そんな魅惑のフレーズから誘われる、世界中の人々の暮らしや生きものの営みを記録した 3000タイトルを超える壮大な映像アーカイブ、「エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ」。ご縁をいただき、このとても興味深いプロジェクトをコミュニケーションデザイン全般でお手伝いさせていただきました。

・WEBサイト http://ecfilm.net/ (企画・クリエイティブディレクション)
・ティザームービー(ディレクション)

ほぼ日刊イトイ新聞にて4回に渡りEC特集(広報)

「文化人類学」とか「民族学」と聴くと、なんだかよくわからないけれど惹かれる〜という方は、多いように思います。わかりやすく言えば、むかしむかしのお祭りや儀礼などなど。それを記録した、膨大なフィルム・アーカイブの一つが、エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ=ECフィルムです。

そして、このECフィルムがおもしろいのは、そういった言わば「ハレ」の日の記録のみならず、「ケ」である日常の、たとえば食文化やものづくり、生活習慣などなど、地球のどこかで「なにか」している人たちの様子を、ただ「たんたんと」収録しているという点なのです。それは、今に生きるわたしたちと、なんとも地つづきな「行動」の数々。なにも起こらないけれどじっと見てしまう。そんな魅力をもつフィルムたち。「民族学」だけでなく「生物学」「技術科学」の映像も取り揃えております。

3000タイトル超ということで、わたしなんてそのわずか数十本くらいしか見ていないわけですが、出るわ出るわ、もうお宝の山なのです。

半ばお蔵入りとなっていたこのアーカイブを、もっともっとたくさんの方に見ていただき、ひらき、活用していきたい。そんな想いから数年前に上映会チームが立ち上がったのですが、これからはもっともっと精力的に、ECフィルムの魅力に触れていただく機会を出現させていきます。その皮切りに、まずはWEBサイトをリニューアルし、今まで印刷物でしか検索不可能だった全タイトルのリストをデジタル化しました。大きな第一歩です。

映像もどんどん無料でシェアできる時代ではありますが、簡単には見られないのがECフィルム。全てがデジタル化され、WEB上で公開できるようになるまでには膨大なお金と時間がかかります。それゆえに、今世界中で、16mmフィルムが瀕死の状態なのです。どんどん、捨てられています。
でもね、簡単に見られないからおもしろい!わたしはそう思っています。一人でPCで見たって、それだけだと思うのです。ECがおもしろいのは、なんだかよくわからないものを、自分たちの生活とつなげて想像しながらワイワイガヤガヤみんなで見ることにもあると思っています。まさに、映像をフィールドワークする、冒険の旅!

2016年7月に実施した東京駅前KITTEの中にある博物館「インターメディアテク」でのイベントには、ECフィルム応援団長を引き受けてくださった荒俣宏 大先生をお招きし、東京大学総合研究博物館長 西野嘉章さんとの上映&トークを行いました(上映会の内容イベントレポート)。
わたしは荒俣さんへのインタビューもさせていただきました(笑)



文字にも起こしてあります。こちらに。

こうした上映会は全国で継続的に行われていますし、お財布に優しい金額で借りることができ(詳しくはこちらから問い合わせを)、誰でも上映会を企画することができます。ぜひあなたのまちにもECフィルムを連れ出してください!ECを活用した企画のご相談も随時受け付けています。

最新情報はWEBサイトで!


エンサイクロペディア・シネマトグラフィカ
Communication Designer, PR etc.  : 佐藤有美(cotoconton) / Web Creator : 林澄里(旅音)/ Producer : 中植きさら(ポレポレタイムス社)/Movie Director : 石川雄三(ポレポレタイムス社)/ Special Thanks : 津田啓仁、下中桑太郎 / Client : 下中邦彦記念映像活用委員会

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